米国の新築住宅在庫は同じなのに、なぜ9か月分が8.5か月分に?
在庫月数が短くなっても、売り出し中の住宅が減ったとは限りません。9月24日公表の米国新築一戸建て統計では、季節調整済み在庫は7月も8月も48万3,000戸でした。それでも在庫月数は9.0から8.5に低下しています。変わったのは販売ペースでした。

次の発表を前に
Census Bureauの9月分発表予定は10月27日午前10時EDT、日本・韓国時間では午後11時です。本稿はその日の韓国時間午前、発表前に執筆しました。数値は9月24日公表時点の8月速報値と7月改定値であり、9月の結果ではありません。
販売ペースは7月の64万3,000戸から8月の68万4,000戸へ上昇しました。これは季節調整済み年率のSAARで、1か月の実際の販売戸数ではありません。一方、48万3,000戸は月末の販売用在庫です。年率の流れと一時点の残量を分けて読みます。
変わったのは分母
在庫月数は、おおよそ在庫を月間販売ペースで割ると理解できます。公表された丸め値では483,000÷(643,000÷12)が約9.01か月、684,000を使うと約8.47か月です。公式の9.0と8.5の関係が見えます。丸めや元データの計算により末尾は一致しない場合があります。

同じ在庫でも売れるペースが上がれば、何か月分かは短くなります。仮の書店に120冊あり、月10冊なら12か月分、月15冊なら8か月分です。住宅は複雑でも分母の仕組みは同じです。月数の低下だけでは供給戸数の減少を意味しません。
販売増の幅広い不確実性
前月比の販売増加率は6.4%、90%信頼区間は±19.5パーセントポイントでした。約-13.1%から+25.9%でゼロを含むため、増減の方向を統計的に確定できません。1か月の反発だけで回復と断定するには幅があります。
販売の計上は手付金の受領または売買契約の締結時点で、引き渡しや入居とは限りません。建築許可前の販売もあります。速報値は改定されるので、新しい月だけでなく前月の修正も読みたいところです。
新しい表で見る二つの数値
9月分では販売用在庫と販売年率を並べてみてください。在庫月数が下がっても、在庫減か販売加速かで意味が違います。在庫が減っても販売がさらに大きく鈍化すれば、月数は増えることがあります。
同じ48万3,000戸が9か月分にも8.5か月分にもなりました。在庫は残量、販売は速度、在庫月数はその比率です。この関係が次の統計の読み方を助けます。本稿は経済統計の解説で、投資助言ではありません。